阪神高速道路の老朽化対策は3700億円 !!

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阪神高速道路会社は1月24日、約3700億円を投じる阪神高速道路の更新計画を発表した。大阪・兵庫地区の総延長249kmのうち約62kmの区間で構造部材の取り替えや補強などを施す。2015年度から事業に着手して10~15年間程度で完了させる予定だ。

橋梁を架け替えたり床版を取り替えたりする「大規模更新」は、延長約5kmで実施する。概算の事業費は約1500億円。対象は、1号環状線の湊町―本町間、3号神戸線の京橋付近など10区間だ。

一方、損傷箇所に補強などを施す「大規模修繕」は、約57kmの区間で実施し、約2200億円を投じる。対象は、4号湾岸線の三宝付近や11号池田線の豊中南付近などだ。

今回発表したのは概略の更新計画だ。着手までに、さらに精緻な更新計画をまとめる。迂回路の設置や車線規制などによって、長期間にわたる通行止めを極力避ける方針だ。

かさ上げした重量が損傷要因に

例えば、11号大豊(おおとよ)橋付近では、桁と床版を全面的に取り替える。ここは1970年の大阪万博に間に合わせるために、もともと大阪府道として整備した橋梁を後打ちコンクリートで最大約50cmかさ上げした。かさ上げ部分の重量を当初設計で考慮していないので、床版や桁にひび割れが生じている。路面の高さに合わせ、桁や床版のサイズを設計して架け替える。

3号神戸線の湊川付近と13号東大阪線の法円坂付近でも、上部構造を架け替える。ここは敷地が狭隘で基礎を小さくせざるを得ず、上部構造を一般的な橋梁よりも薄くている。そのため、鋼床版が変形しやすく疲労亀裂が生じた。更新計画では疲労耐久性の高い桁や床版に架け替え、必要に応じて基礎や橋脚を補強する。

14号松原線の喜連瓜破(きれうりわり)付近と3号神戸線の京橋付近では、径間中央を剛結していないヒンジ構造の橋梁を連続構造の橋梁に架け替える。設計時の想定以上に変形が生じたからだ。現在は外ケーブルで緊張して変形の進行を抑制しているが、再進行の恐れがある。そのため構造形式を変更する。

15号堺線の湊町付近では、基礎を取り替える。構造物が地下街の真上に位置するので鋼製フーチングを採用したが、地下水位の上昇でフーチングの腐食が進んだ。腐食しにくいコンクリート製に取り替える。

旧基準のRC床版をPC床版に

また、1973年以前の基準で設計した鉄筋コンクリート(RC)床版は、プレストレスト・コンクリート(PC)床版に取り替える。床版の下面を鋼板で補強したものの、ひび割れの進行を食い止められず、床版コンクリートの流動化で陥没した箇所もある。1号環状線の湊町―本町間と11号池田線の福島―塚本間、12号守口線の南森町―長柄(ながら)間、15号堺線の芦原―住之江間の4区間で実施する。

大規模修繕では、補修しても構造物の健全性を引き上げられない箇所に補強を施す。RC床版で損傷があれば桁を増設。鋼床版ではSFRC(鋼繊維補強コンクリート)舗装による補強、PC桁では外ケーブルによる補強、鋼桁では当て板補強をそれぞれ施す。

さらに、アルカリ骨材反応による損傷が進んでいる橋脚では、補強と表面保護のために鋼板を巻き立てる。

3割の区間が供用後40年以上

阪神高速道路は、大阪・兵庫地区の延長249kmで3割の約83kmが供用後40年以上経過している。阪神高速道路会社は、2013年4月に学識経験者による「阪神高速道路の長期維持管理および更新に関する技術検討委員会」から提言を受け、構造物の損傷状況などを精査。その結果を踏まえて、更新計画をまとめた。

大規模更新・修繕に必要な約3700億円の財源については、道路の有料期間を延ばして賄う。国土交通省が今国会に提出予定の道路整備特別措置法の改正案で、料金徴収期間を延長できるようにする見込みだ。阪神高速道路会社の更新計画も、それを織り込んでいる。

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