建物から駐車場が消える?市街地集約へ国交省

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駐車場を都市の周辺部に集約し、中心部では歩いて暮らせる街づくりを進める。そのため、マンションやオフィスなどの付置義務駐車場は、建物の敷地外にまとめて置くことを認める――。国土交通省は自治体の条例のひな型となる「標準駐車場条例」を改正。8月1日に都道府県と政令指定都市に通知した。

改正は、8月1日に改正都市再生特別措置法が施行されたことを受けての措置だ。国交省は同日付で、改正に関する技術的助言も通知。併せて駐車施設の適正化に関する手引きを公表した。

改正特措法は、市町村が主体となって都市機能の集約を推進できるようにするもの。市町村が「立地適正化計画」を作成し、病院や福祉施設、商業施設などを集約する「都市機能誘導区域」や、住宅を誘導する「居住誘導区域」を設定できる。駐車場についても、集約化や中心部の外への配置を可能にする「駐車場配置適正化区域」を定めることができる。

「建物内部の付置義務は認めない」選択肢も

駐車場配置適正化区域では、駐車場法の2つの特例を受けることができる。1つは、建築物に設置を義務付けている付置義務駐車施設の集約化だ。改正特措法では、都市の周辺部に設ける「集約駐車施設」を、自治体が立地適正化計画に盛り込むことができるとしている。標準駐車場条例では、集約駐車施設の運用法について、より具体的に明記した。

付置義務駐車施設の設置の仕方については、2つの方法を示した。1つはそれぞれの建物内や敷地内だけでなく、集約駐車施設内に設置することを認める方法。もう1つは、集約駐車施設内だけに設置を義務付け、建物内部などへの設置を認めない方法だ。どちらを選択するかは自治体に委ねる。

国交省の担当者は、「自治体が『中心部になるべく自動車を入れない』と判断するなら、後者を選ぶ方法もある。それぞれの街づくりの方向性に合わせて選択してほしい」と話す。建物内部への設置が認められなくなれば、マンションやオフィスの設計にも影響を与えることになる。

技術的助言では、集約駐車施設の整備主体について、開発によって付置義務を負っている建築主や自治体が担うとした。民間事業者が付置義務台数以上の駐車施設を整備して、余剰分をほかの建築主に貸し出す方法も認める。

既存の建物に関して条例への適合は求めないが、付置義務の台数を集約駐車施設へ移動させ、建物内部の駐車場を他用途へ改修することは認める。

国交省は事務所施設に対する付置義務基準も緩和した。例えば人口100万人以上の都市では、1台当たりの建築床面積を示す基準値を、従来の200m2から250m2とした。国交省が今年6月に、開発によって生じる交通量の単位である「発生集中原単位」を事務所施設で2~3割引き下げ、必要な駐車台数が少なくなったことに伴う緩和だ。

有料駐車場は中心部の外へ 

特例の2つ目は、道路以外に設置する「路外駐車場」の規制についてだ。駐車場法では、駐車面積が500m2以上の有料駐車場について都道府県知事などへの届け出を義務付けている。改正特措法では、市町村が独自に面積を設定し、市町村町への届け出を新たに義務付ける。有料か無料かは問わない。

市町村長は駐車場の適正な配置に向けた誘導が可能だ。届け出を受けた駐車場によって自動車と歩行者の交錯が増加するなど、市町村が定めた基準に合致しない場合は勧告し、改善を促すことができる。市町村長には、勧告した事業者に対して「代替地取得のあっせんに努める必要がある」とした。

これらの特例は、改正特措法に基づいて「立地適正化計画」を定めた自治体だけが受けることができる。国交省の担当者は「条例のひな型をどう周知していくかが今後の課題だ」と話す。

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